![Passengers arrive at Charles de Gaulle Airport, in Roissy, outside Paris earlier this week](https://ichef.bbci.co.uk/news/640/cpsprodpb/D5CD/production/_116733745_0c29c7cb-0543-4759-a957-33e71cfa9d4a.jpg)
EPA
フランスのジャン・カステックス首相は29日、新型コロナウイルスの感染対策のため、31日から欧州連合(EU)域外からの不要不急の入国は禁止すると発表した。EU内からの入国者にも、ウイルス検査と陰性証明の要件を強化する。ほかにも国内の感染対策を強化する一方、全国的なロックダウンは回避したい考え。
カステックス首相はテレビで感染対策の強化を発表し、夜間外出禁止令など国内の対策徹底と警察による取り締まりを強化するとも述べた。その一方で、全国的なロックダウンの実施はまだ回避できると強調。「(ロックダウンによる)影響がいかに深刻か承知している。ここ数日のデータを検討した結果、まだロックダウンを回避できるチャンスがあると判断した」と説明した。
「(3度目の)ロックダウンを避けるため、できる限りの努力をしたい。今後数日間が決定的なものになる。全員が慎重に行動しましょう」と、カステックス首相は呼びかけた。
フランスでは29日、新型コロナウイルスによる死者が新たに820人確認され、計7万5620人に達した。感染して入院中の人は2万7000人以上で、3000人以上が集中治療を受けている。
新しい対策に伴い31日から、EU域外からの不要不急の入国は禁止するほか、EU域内から入国する人はPCR検査の陰性結果提示が求められる。住所地と就労地が国境をまたぐ人は除外される。入国時の陰性証明はこれまで空路と海路の渡航者のみが対象だったが、31日以降は陸路からの入国者にも適用される。
カステックス首相はさらに、食料以外を販売する大規模ショッピングセンターには休業を義務付けるほか、在宅勤務のルールを強化すると述べた。
また飲食店の違法営業や、秘密のパーティーなどについて警察の取り締まりを強化すると話した。
![Palme d'Or symbol is seen on the pavement on an empty shopping street in Cannes](https://ichef.bbci.co.uk/news/640/cpsprodpb/14715/production/_116733738_454bdb15-ffe4-46c2-97c4-1ebbae3d7eec.jpg)
Reuters
多くの欧州諸国と異なりフランスは、年末年始以降の感染者急増に対して全国的なロックダウンの実施を回避しようとしきた。
学校は授業を続けているが、午後6時から午前6時までの外出は全国的に禁止され、飲食店は閉鎖されている。
オリヴィエ・ヴェラン保健相は28日、厳しい感染対策にもかかわらず新型ウイルスの変異株がフランス国内で拡散していると警告した。
EUと製薬会社の間では現在、ワクチンの供給について対立が生じている。フランス当局によると、これまでに145万人が1回目の接種を受けたものの、米ファイザーと米モデルナからのワクチン納品が遅れており、接種事業の展開に影響が出ている。
フランスの新しい入国制限は、EUを離脱したイギリスにも影響する。ただし、グラント・シャップス英運輸相は、英仏間を行き来する物流業者には影響しないとツイートした。
他の欧州諸国の状況
ドイツは30日から2月17日まで、新型ウイルスの変異株の影響が厳しい国々からの入国を原則禁止する。対象国はイギリス、アイルランド、ポルトガル、ブラジル、南アフリカ、レソト、エスワティニ。
チェコも30日から、変異株の感染拡大を防ぐため、不要不急の入国を禁止する。
ポルトガルは28日、国民に今後2週間にわたり不要不急の出国を禁止した。
ベルギーは27日、3月1日まで不要不急の出国を禁止した。
一方でイタリアは29日、2月1日から規制緩和の対象地域を拡大すると発表した。これには保健関係者から、安全性を懸念する声が出ている。渡航や店舗の営業などが厳しく制限される地域はなくなる。
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