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皮膚から命つくることも「時間の問題」 ある論文の衝撃 - 朝日新聞デジタル

 科学技術が新たなヒトの生命をつくり出す。その段階がすぐそこまで来ていることを予感させる論文が、今月発表された。

 その論文は、科学界に大きな衝撃を与えた。オーストラリアと米国の二つのチームが、人工的に受精卵(胚(はい))のようなものをつくったと、それぞれに表明するものだったからだ。

 「初期の人間の生命の謎を解き明かすゲームチェンジャー」。論文を発表したオーストラリアのモナシュ大学は、ホームページで興奮気味に紹介した。

 多くの海外メディアもこの成果を驚きをもって報じた。しかし、こうも伝えている。

 「実験室でつくられた胚は、研究、倫理論争に拍車をかける可能性がある」(AP通信)、「人間の遺伝子操作やクローン作製への坂道を、滑り落ちる懸念を引き起こす」(フィナンシャル・タイムズ)――。医療分野の研究に役立つ福音だが、同時に警鐘も鳴らしている。

iPS細胞応用し、「胚盤胞」を世界で初めて作製

 モナシュ大学などと、米国テキサス大学などの二つのチームが英科学誌ネイチャーで18日(日本時間)に発表したのは、ヒトの胎児になる初期の段階である「胚盤胞(はいばんほう)」を世界で初めてつくったというものだった。

 不妊治療の体外受精では、受精卵が胚盤胞に育った段階で、子宮に戻すのが一般的だ。胚盤胞ができたということは、子宮に戻せば生命が誕生する可能性があることを意味する。

 とくに驚くべき内容だったのはモナシュ大学のチームの発表で、ヒトの皮膚の細胞からiPS細胞をつくる技術を応用し、胚盤胞をつくった。

 そもそもiPS細胞とは、どういうものなのか。

 細胞は受精卵が発生する過程で、皮膚や血液などさまざまに変化するが、一度変化するとそのまま元に戻ることはない。

 だが、iPS細胞は異なる。

 細胞に四つの遺伝子を入れることで、「初期化」と呼ばれる現象を起こし、さまざまな細胞に変化できる。

 チームは、iPS細胞をつくる四つの遺伝子をヒトの皮膚の細胞に入れ、特殊な培養法をとることで、胚盤胞をつくった。

 これは体の一部から、受精を必要とせずに、新たな生命を生み出すことができる可能性を示している。

 生命の始まりを「受精時」とするカトリックの教義を揺るがしかねない。

折り紙でたとえると、折り目がまったくない状態で

 これまでマウスのiPS細胞で…

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